はじめに:SNSで拡散される「間違った不安」
最近、池田信夫氏がXで「25兆円の補正予算はインフレ税で債務を踏み倒すつもりかもしれない」などと投稿し、一部で話題になりました。 しかし、この発言は経済学的な前提を理解していない、極めて表面的な判断です。 補正予算25兆円は、経済指標に基づけば実は「極めて妥当」な数字であり、むしろそれ以下では経済効果が不十分となる水準です。
この記事では、なぜ25兆円という規模が正しいのか、そしてなぜ池田氏がこれに気づけないのかを、経済学の基本から整理して解説します。
25兆円は“景気の谷”を埋めるための計算された金額
日本のGDPはおよそ1000兆円です。そのうち、景気対策として短期的に必要とされる財政注入は通常、GDP比2〜3%が基準とされます。これは主要先進国の財政政策の常識でもあります。
25兆円の補正予算=GDP比約2.5%。 これは、景気の谷を埋める「最適ライン」にほぼ一致しています。 むしろ17兆円程度ではGDP比1.7%で、需要不足の穴を埋めるには足りず、税収増効果も限定的になります。
つまり、25兆円という数字は「政治的な思いつき」ではなく、景気循環と税収効果を踏まえた上で計算された数字なのです。
財政支出=税収増につながる理由
補正予算で国債を発行すれば「借金だけ増える」と思われがちですが、これは大きな誤解です。
財政支出は民間の所得を押し上げ、それが消費・投資・企業業績・雇用を刺激し、最終的には税収増として政府に戻ってきます。 これをフィードバック効果といいます。
例えばGDPが25兆円分押し上げられれば、法人税・所得税・消費税などが増え、数兆円規模の税収増が期待できます。 そのため、25兆円規模の補正は「将来的に国債を相殺する効果」まで見込んだ計算なのです。
池田信夫が見落としている“前提条件”
池田信夫氏がたびたび犯すミスは、経済学の「理論の前提」を理解していないことです。 特に以下の3点が致命的です。
国債の95%以上が円建てで国内保有
海外依存の低い日本では“ソブリンリスク”は通常の意味では発生しません。 国債の価値は日銀と民間のバランスシートで支えられており、ギリシャ型の危機とは構造がまったく違います。
金利は市場ではなく日銀が決める
日本の金利は「日銀の政策金利+長期金利コントロール」によって形成されています。 補正予算の規模だけで金利が跳ね上がる構造ではありません。
円安は金利差で動くので、補正予算と無関係
円安は日米の金利差がほぼ全てを説明します。 国債発行量が増えたから円安になる、というのは教科書にも存在しない短絡的説明です。
要するに、池田氏の主張は「前提が理解できていないので結論も誤っている」パターンです。
25兆円案には“まともなブレーン”がいる
25兆円規模を提案した議連を「素人」と批判する向きがありますが、それは完全に逆です。 むしろ、この数字を出せたということは、経済学の基本を押さえ、税収との照合も行った「まともな経済参謀」が存在する証拠です。
景気回復 → 税収増 → 国債発行分との相殺 という財政政策の王道がしっかり理解されています。
“素人”なのは、これを読み取れずに批判している側です。
なぜ池田信夫は誤った判断をしてしまうのか
池田氏の発言が痛々しく見えてしまう理由は、「理論を聞きかじっただけで、現実に当てはめる力がない」からです。
- 理論の上辺だけ知っているだけ
- 適用条件を理解していない
- 現実の数字や制度と照合できない
- それでも断定調で他者を批判する
これはまさに「1+1=5」と言っているのに、それを恥じず自信満々で他人をバカ扱いする状態です。 専門家として最も避けるべき振る舞いでしょう。
結論:25兆円補正は“正しい”。誤っているのは池田信夫の理解の方
経済学の観点から見れば、25兆円補正予算は極めて合理的で、税収増を通じて財政にもプラスの効果をもたらす水準です。 逆に、これ以下では不十分で、経済回復のタイミングを逃す可能性さえあります。
池田信夫氏の批判は、理論の適用条件も日本の制度構造も理解していないため、議論として成立していません。 むしろ、25兆円という数字を適切に導いた政策側の方が、よほど経済の現実を理解しています。
私たちは、SNSで拡散される「不安」や「批判」をそのまま受け取るのではなく、データと経済学の基礎に基づいて判断する必要があります。

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