存立危機事態発言を巡るオールドメディアの空気報道

存立危機事態発言を巡るオールドメディアの空気報道

高市早苗首相による「台湾有事が武力行使を伴う場合、存立危機事態になり得る」という国会答弁を巡り、オールドメディアが一斉に「踏み込みすぎだ」「撤回すべきだ」という空気を作り出している。この一連の報道姿勢は、冷静な政策論や法解釈の検証ではなく、特定の発言者を集団で叩く構造になっており、もはや報道というより“いじめ”に近い。

目次

存立危機事態とは何か

本来、存立危機事態とは2015年の安保法制で明確に定義された概念であり、新しい話でもなければ過激な主張でもない。他国への攻撃であっても、それによって日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求権が根底から覆される明白な危険がある場合に限り、集団的自衛権の行使が認められるという、極めて限定的な制度である。

高市首相の答弁は、この制度的枠組みを説明したに過ぎず、戦争を煽る意図など読み取れない。

感情論にすり替えるメディアとコメンテーター

ところがメディアや一部コメンテーターは、この法的説明を「日本は戦争するのか」「国民を不安にさせる発言だ」と感情論にすり替えた。

典型例が、テレビ朝日の番組で玉川徹氏が述べた「日本は中国と戦争してはいけない。いいんですかそれで」という発言である。一見すると平和主義的だが、この前提自体が安全保障論として成立していない。

戦争は“望まない”だけでは避けられない

戦争は「こちらが望まない」と決めれば避けられるものではない。戦争が起きるかどうかは、相手国の意思と能力によって決まる。

現実に中国は、台湾侵攻を否定せず、武力による現状変更を公然と示唆し、周辺海空域で軍事的圧力を強めている。尖閣諸島についても主権主張を一切引っ込めていない。

日本がどれほど「戦争したくない」と願っても、中国が武力行使に踏み切れば事態は発生する。

抑止力を否定することの危険性

それにもかかわらず、「日本は戦争してはいけない」という願望を前提に議論を止めてしまうことは、現実から目を背ける行為に等しい。

抑止力とは、単なる防衛費の数字ではなく、「やれば実力で対応する」という意思と能力を相手に信じさせることによって成立する。「場合によっては武力行使に至る」という可能性を一切語らない抑止など存在しない。

首相答弁を封じることの異常さ

高市首相の答弁は、戦争をしたいという意思表明ではない。むしろ、最悪の事態を避けるために、どこまでが日本の防衛に関わるのかを制度として説明したものである。

それを「言ってはいけない」「踏み込みすぎだ」と封じることこそ、国民に対する説明責任の放棄ではないだろうか。

「撤回ありき」の空気報道

さらに問題なのは、オールドメディアが「撤回すべきか」という一点に論点を集中させている点だ。

撤回が必要なのは、事実誤認や虚偽説明があった場合である。しかし今回の答弁は、過去の政府見解や安保法制と整合しており、法的にも逸脱していない。

それでも撤回を迫るのは、「内容が間違っているから」ではなく、「その話題自体を国民に聞かせたくない」という意図が透けて見える。

報道ではなく“空気による統制”

これは報道による権力監視ではなく、空気による思想統制に近い。

単語の切り取り、感情的な煽り、横並びの論調、反論の軽視。こうした手法は、学校で問題になるいじめの構造と驚くほど似ている。しかも「平和」や「正義」という大義名分を掲げている分、余計に悪質だ。

世論を盾にした議論封殺

「世論調査では憲法9条改正に反対が多い」という主張も、本質的な論点から外れている。

存立危機事態は憲法改正の話ではなく、現行憲法下で既に存在する法制度の説明である。世論は、事実と制度を説明した上で形成されるべきものであり、不安を煽るから説明しないという姿勢は民主主義ではない。

現実を語らないことこそ最大のリスク

日本が直面しているのは、理想論だけで回避できる安全保障環境ではない。

周辺国が武力による現状変更を選択する可能性がある以上、政府が最悪のケースを想定し、国民に説明し、備えるのは当然の責務である。軍事力の強化も、戦争をしたいからではなく、国民の生存権を守るために必要な手段だ。

それにもかかわらず、首相が制度を説明しただけで「戦争国家だ」「危険だ」と叩かれる状況は異常である。

おわりに──問われているのは報道の姿勢

安全保障を語ること自体がタブー化されれば、残るのは曖昧な言葉と無責任な楽観論だけだ。それこそが、真に国民を危険にさらす。

今回の一件は、オールドメディアがいかに現実的な議論を避け、感情と空気で世論を誘導しているかを示している。問題なのは高市首相の答弁ではない。問題なのは、現実から目を背けることを国民に強いる報道姿勢そのものなのである。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次